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点字の仕組み

点字はパッと見、何が書いてあるのかさっぱりわからず、困惑するかもしれません。しかし、実は単純なルールのもとに構成されていて、外国語を覚えるよりずっと簡単です。このページではその仕組みについて簡単に説明します。

​もちろん点字講習会では一から教えてもらえるので予習をする必要はありませんが、このページを見て少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

点字は6つの点で一つの文字を表すのが基本です。左上から下に向かって1、2、3の点、右上から下に向かって4、5、6の点と呼ばれます。点字で書かれた文は、左から右に向かって読みます。6つのうちどこの点が盛り上がっているかで、なんと書いてあるかがわかるようになっています。

この点と文字の対応はランダムではありません。ローマ字のように、母音と子音の組み合わせで表現されています。1、2、4の点は母音、3、5、6の点は子音です。1の点が盛り上がっていればあ段、6の点が盛り上がっていればか行、1と6の点が盛り上がっていればか行のあ段、すなわち「か」です。しかし、6つの点では表現に限界があるため、「や、ゆ、よ」と「わ、を、ん」は例外的に表します。点字一覧表を見てみると、五十音はこのルールに従って表現されていることがわかります。

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「がぎぐげご」や「きゃきゅきょ」などは2つのマスを使って表します。「が」を表す場合は、「か」の直前のマスの5の点を打ちます。この5の点が、「これから濁音がきます」という合図になるのです。そして、この2マスで「が」という1つの音を表します。「きゃ」の場合は、「か」の直前のマスの4の点を打ちます。これを応用して、「ぎゃ」を表すためには、「か」の直前のマスの4と5の点を打ちます。こうして文字だけで表すと難しいかもしれませんが、点字一覧表を見てみるとわかりやすいです。

もちろん点字の世界には数字もあります。数字を表すためには、数符という記号を打ちます。「ここから先は数字です」という合図です。先述したように、6つの点では限界があるため、数字はあ行とら行と同じ表記をするのです。そして、この数符によって、五十音なのか数字なのかが判別できます。例えば、「1」と打つためには、数符を打った後に1の点を打ちます。1の点だけでは「あ」と読まれてしまいますが、数符があることによって「1」だとわかります。「10」を表すためには「数符+1+0」です。数字を打ち終わった後は、1マスあけると数符の効果が切れて、再び五十音の表記になります。

​アルファベットも数字と同じように、外字符という記号を使って点字で表記することができます。

​この他にも、「 」や!、?などの記号も点字で表すことができます。点字の世界でも、私たちが目で読んでいる文章と同じような文章を読むことができるのです。

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ここまで読んで察した人もいるかもしれませんが、点字には漢字はありません。全てかな表記です。以下の文を読んでみてください。

「にわにはにわにわとりがいる」

すべてひらがなで書いてあると少し読みにくいですよね。そこで、

「にわには にわ にわとりが いる」

と、文節ごとに区切ってみると、読みやすくなります。点字でもこのように、視覚障がい者の方が、点訳された文章を読みやすいように、様々な工夫があります。

まず、先ほど紹介したように、文節ごとに1マスあけ、区切れがわかりやすくなっています。

さらに、「にわには」や「こっちへ」など、「わ」や「え」で発音される「は」と「へ」は、点字では発音のとおりに、「にわにわ」、「こっちえ」というように表記されます。また、「う」の音で伸ばす言葉は「ー」で表されます。つまり、「おとうさん」は「おとーさん」と表記されるのです。視覚情報がない人には、発音される音の通りに表記した方がわかりやすいのです。

このように多様な工夫が点字のルールには見られますが、点字講習会では様々な場合を想定した文章で、丁寧に学べます。

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